催眠を使うセラピーの世界へ

セラピスト・ヒーラーとしての仕事を始める前から、

多種多様な癒しの手法に興味を持ち、学び続けています。

開業してからは、なかなか時間を作れず、

学びの機会は少なくなりましたが、

それまでは、あちらこちらのスクールやセミナー、

ワークショップ、体験セッションなどに出かけていました。

その当時、数多くのセラピー手法、ヒーリング手法の中で

とりわけ心惹かれ、魅力を感じたのが、

催眠を用いるセラピー、すなわち催眠療法でした。

「催眠」という言葉は、たいへん誤解を招きやすいワードだと思います。

催眠、催眠術、催眠療法は、それぞれ異なる意味を持つ言葉ですが、

ひとくくりに「催眠」という不思議な意識の状態を使って、

普通は行わないようなふるまいをしたり、

普通ではないことが起こったりする、

怪しく可笑しく神秘的なワーク…という印象を与えているようです。

特に「催眠」というキーワードで検索すると、

癒す、ケアすることからは程遠いゲーム感覚や

パフォーマンス系のサイトがたくさん出てくるでしょう。

ここでまずはっきりさせておきたいのは、

心身の癒しや自己啓発、医療的な処置などに取り入れられ、

効果的に使われている催眠と、そうではない催眠の、

二つの世界(フィールド)があるということです。

セラピーや癒しのツールとして用いられる催眠は、

催眠術ショーで使われるパフォーマンスとしての催眠や、

利己的な目的、反道徳的な目的で使われる催眠とは全く異なりますので、

その点は、ご注意いただきたいポイントです。

通常の意識から、催眠状態に移行すると、

通常の意識では気付くことの出来ない本当の気持ちに気付いたり、

本当はその時、何が起こっていたのかを理解したりできるようになります。

その目的は、癒し、解放、気付き、変容です。

また、具体的に何を目的・ゴールとするかについては、

当然のことながら、クライアントの方ご本人が望み、

選択したことになります。

ヒプノセラピストは、個人的な好みや解釈、信念などによって、

勝手な方向へ誘導することは許されないのです。

欧米の国々では、倫理規定が整備されており、

催眠療法家はそれに則って仕事をします。

さて、ここからは、催眠を用いる癒しのツールをご紹介しましょう。

1. ヒプノセラピー

ヒプノセラピーのセッションでは、言葉による暗示を使って催眠に入り、

潜在意識からやってくるイメージを受け取りながら進めます。

その中には、癒しや解放をもたらすためのイメージや、

お悩みについての気付きや解決へのヒントなどが含まれています。

言葉による「暗示」を巧みに使って、

その方が望むポジティブな変化を促します。

催眠状態では、通常の意識の状態よりも、

暗示が潜在意識に浸透しやすいため、

身体の生理的な状態や、嗜癖、日常習慣などにはたらきかけて

変容させることが出来るのです。

ヒプノセラピーの中で知名度が高いものとして、

インナーチャイルドを癒すセッションがありますが、

そのほかにも、目的に応じて、色々な種類のセッションがあります。

詳細については、ヒプノセラピー専門サイト をご覧ください。

ヒプノセラピーという名称は、日本国内において、

広く催眠療法全般を表す言葉として使われることが多いのですが、

欧米では、どちらかと言うと、暗示を用いた暗示療法がその中心となります。

それに対して、時間軸を行き来して、必要に応じて、

過去の時点に戻ったり、未来を訪れたりするセラピーは、

退行療法、未来順行療法、未来世療法と呼ばれます。

2. 退行療法・多次元セラピー

時間軸を行き来できるのは、潜在意識が持つ特性によるのですが、

たとえば、辛い出来事が起こった過去の時点に退行して、

その時の感情や感覚などを再体験したうえで、

その体験にまつわる否定的な感情などを癒し、解放していくことが出来ます。

多次元セラピーは、退行療法の新しい手法

トランスパーソナルセラピーであることが、その大きな特長です。

トランスパーソナルな世界観に立ち、見えないエネルギーや生まれ変わり、

カルマ、魂の計画などについて、深く探求することに優れた手法です。

特に、調べてみても原因のわからない心身の不調がある場合、

過去を振り返って内省してみても思い当たることが何もない場合などに、

何が起源となって、その問題が始まったのかを解明し、癒すことが出来ます。

見えない世界やエネルギーなどに違和感がない方には、

ぜひともお勧めしたい斬新なセラピーです。

多次元セラピーは、退行療法ですので、

過去のさまざまな時点に退行できますが、

たとえば、胎児期に退行するのが胎児期退行療法、

子どもの頃や数年前などに戻っていくのが年齢退行療法、

いわゆる前世・過去生に退行していくのが、前世療法です。

3. 前世療法・過去生セラピー

時間軸を行き来する退行療法のうち、

特に前世・過去生に特化して退行するセラピーが、

前世療法・過去生セラピーです。

前世療法…というと、

ただちに「前世は存在するのか否か?」という問いが現れて、

「前世などあるはずがない」とお考えの方々にとっては、

その名称を聞いただけでいかがわしいと思われがちな前世療法。

前世ある派・ない派という二極的な考え方の相違や議論は、

実は、前世療法セラピストにとっては、ほとんど問題にはならないのです。

…というのは、セラピー・心理療法としての前世療法が

評価を受け、実践されているポイントは、

(前世なるものか実在するのか否かということではなく)

セラピーによってもたらされる癒しや気付き、解放、変容であるためです。

世の中には、

「前世療法を使って、何としても前世・過去生の実在を証明したい」

「検証することこそが、前世・過去生を訪れる目的である」

…という立場の方々が、少なからずおられます。

そうした考え方に対して何かを言うつもりはありませんが、

少なくとも、セラピスト・ヒーラーにとっての目的が、

「検証」であるということは、絶対にありません。

クライアントの方が望む癒しと変容が促されることこそが、

前世療法・過去生セラピーセッションの目的であり、

それは、他の癒しのツールではなし得ない、

価値ある探求と癒しであることは間違いないのです。

前世療法についてのFAQ、セッションケースのご紹介など、

詳しい情報については、前世療法専門サイト でご覧いただけます。

いかがでしたでしょうか?

とかく誤解を受けやすい「催眠」ですが、

催眠を用いる3種類のセラピー手法は、

通常の意識の状態ではたどりつけない潜在意識に

アクセスできる魔法の切符のようなツールです。

本当の気持ち(本音)がわからなくなってしまったり、

感情にフタをして遮断していたり、

心と体、心と頭がつながりを失くしていたりする時に、

途方もない収穫を手にすることが出来る

優れた癒しの手法と言えるでしょう。

セラピーとしての催眠と、催眠を用いるセラピーについて、

少しでもご興味を持っていただく機会となりましたら幸いです。

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