ここがヒプノセラピーの良いところ

セラピストとして仕事を始めた当初から、

ヒプノセラピーのセッションをしています。

 

ほかにも多種多様な癒しの手法を学び、実践してきましたが、

今、あらためてヒプノセラピーは良いものだと感じています。

 

ここで、念のために、

お伝えしておかなければならないことがあります。

 

それは、ヒプノセラピーと呼ばれている癒しのツールは、

たとえば自動車の運転方法のように、一定のやり方が存在していて、

全てのヒプノセラピストがそれを使っているものではないということです。

 

別の言葉で言い換えてみると、ヒプノセラピストが5人いたら、

(大げさに言うと) 5とおりのヒプノセラピーセッションがある

…という感じです。

 

ですので、ここではあくまでも、

私がしてきたヒプノセラピーについてお伝えします。

 

ヒプノセラピーの良いところは、たくさんあるのですが、

その中で一番素晴らしいのは、

あらかじめ定まった方向へ導くことがないということです。

 

その瞬間に、クライアントの方の潜在意識から現れ出たイメージを

あるがままに受け取っていただけるように、丁寧に誘導していきますので、

その方の世界観、人間観、語彙と表現は、100パーセント尊重されます。

 

私はヒプノセラピーのプロ養成スクールもしていますが、

そこで受講生の皆さんに強調しているのは、

一方に引っ張るような、恣意的な誘導をしてはならないということ。

 

セッション中に現れてくるイメージを、

(クライアントの方ではなくて)ヒプノセラピスト自身の世界観や、

当然こうあるべき、こうなって欲しいという願望に、

無理やりに合わせて解釈してしまったら、

セラピーとしての意義も癒しや解放の効用も

水の泡となってしまうでしょう。

 

ヒプノセラピーを受けたことがない方は、

ここまで読まれて、

「当たり前ではないか…」と感じられるかもしれないのですが、

簡単そうに見えて、実は初心者にとってはきわめて難しいことです。

 

人は、一人ひとり、育った環境も、親御さんから受けた影響も、

その後の人生経験も異なっています。

その人独特の価値観、世界観、人間観、大切にしている信念があります。

それはクライアントの方にもあるし、セラピストにもあります。

 

ヒプノセラピストが自分の好みや価値観、個性、信念を客観視できず、

自分の理想や期待などの側にだいぶ寄っていながら、

本人がそのことに全く気付いていないとしたら、

どうなるでしょうか?

 

癒しや自発的な気付きのない空疎なセッションになるか、

最悪、セッションが有害化する可能性も否定できないでしょう。

 

ヒプノセラピーでは、ヒプノセラピストは自分のエゴを切り離し、

クライアントの方のイメージ世界を大切にしながら、

その世界を十分に体験出来るように手助けしていくことが求められ、

そのことは癒しがもたらされる前提となります。

 

 

世界観とセッションとの関連を考えるうえで、

わかりやすいのが、前世療法のセッションです。

 

前世療法とは、ヒプノセラピーの退行(過去へ戻る)療法の一つです。

 

前世と言われて、どんな感じでしょうか?

 

ある人にとって、前世とは、非科学的で怪しい代物、ファンタジー、

別のある人にとっては、その存在を疑う余地すらない、

ごく普通に在るもの…と、さまざまな見方が存在することでしょう。

 

では、前世療法セッションをする前世療法セラピストはどうでしょうか?

 

世の中の前世療法セラピストさんの中には、

前世「ある派」であると

ウェブサイト上に、はっきりと表現されている方がおられます。

 

仮にセラピストが信じる度合いを100パーセントであるとすると、

80パーセントや50パーセントのクライアントの方は、

幾分、違和感を覚えるかもしれません。

 

私は、前世療法の「セラピーとしての癒しの効果」には、

これまでの経験から絶大な信頼を置いていますが、

前世自体については、

在るとも無いとも言えない…というスタンスです。

 

セッションが始まると、暗示誘導をしながら、

全てをその方の意思と潜在意識に委ね、

その中から現れたイメージは無条件で受け入れ、尊重します。

 

セッション中に、前世イメージが100パーセント現れてくることを

期待は出来ませんし、していません。

 

通常の意識の状態から、催眠状態へ移行するまでの暗示誘導には、

テクニカルな要素があるものの、

催眠トランスに入り、潜在意識にアクセスしたのちは、

ただその方のイメージ世界で起こることや

登場する人物にフォーカスしていきます。

 

たとえば、イメージの世界で

お母さんに会いに行こうとして行ってみたのに、

お父さんが現れたとしたら、お父さんが登場する理由や必要、

癒しの必然性があったのだと考えます。

 

前世療法を含むヒプノセラピーには、

このセラピー手法として、

こうしなければいけないという枠組みに

制限されることがありません。

 

イメージを受け取るその方の自己治癒力と、

イメージの持つパワーを大切にしながら、

癒しのプロセスに立ち合うのです。

 

最近みに、エゴの入り込まない無色透明な状態で、

そのクライアントの方の世界観に合う、

違和感のないセラピー・ヒーリングを提案させていただきたいと

強く願うようになりました。と

 

このホリスティックヒーリングのホームページとブログは、

そうした思いを形にしたものです。

 

癒しを求めている時、癒しが起ころうとする時、

そこにストレスや不本意な感覚、違和感などは

無いほうが良いに決まっています。

 

受け入れられ、尊重されるべきは、

クライアントの方のお気持ちと世界観、

そしてリソースである自己治癒力が、無理やストレスを受けずに

はたらきはじめることであると思うのです。

おしまいに、ひとつ付け加えますと…

私はヒプノセラピーという手法を評価していますが、

そのクライアントの方が、もしもヒプノセラピーに

違和感を持たれる場合には、もちろんお勧めはしませんので、

どうぞご安心いただければと思います。

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