自分らしさって何 ? 人生の危機を越えて

これまでに努力して積み上げてきた成果や築いてきた人間関係、

日常、普通に繰り返してきたことなどに対して、ふと懐疑的になり、

本当にこれで良いのだろうか?  と感じることはありませんか?

中高年世代で、仕事が順調な方であっても、

ある時から急に閉塞感を覚え、鬱々とした状態に陥ることがあります。

私が目にしたある記事では、上昇停止症候群と関連付けて、

中高年のメンタルヘルスの危機的な状態として紹介されていました。

[参考:https://diamond.jp/articles/-/213470]

ご参考までに、「上昇停止症候群」とは、

前向きに努力してきた方が、

左遷やリストラ、出世コースからはずれるなどの体験によって、

大きな挫折感や無力感を覚えて気力がなくなり、

鬱々として、何に対しても意欲を失ってしまう状態です。

一つの目標に向かって、常に全力投球で頑張ってきたのですから、

突然、その目標が失われた時のショックは、いかほどのものかと思います。

主として、40代、50代の熟年世代に起こると言われますが、

それ以外の年齢層の方であっても、

こうした状態に陥ることは、起こるのではないでしょうか?

たとえば、難病の診断を受けた、身体機能の一部が失われたなど。

また、現代の日本では、ほとんど無いことかもしれませんが、

戦争やクーデター、経済危機など社会情勢の変化によって、

価値観・世界観が揺らぎ、日常生活が大きな変化を余儀なくされて、

アイデンティティが脅かされることがあります。

私もかつて、こうした体験をしたことがあります。

当時していた仕事の領域において、

個人の力が及ばないある出来事がきっかけとなって、

当然あるべきものとして思い描いていた将来のビジョンが崩壊し、

一気に意欲を失くしてしまいました。

その時に感じた人生そのものに対する危うさと不安、

世界観が崩れ、音を立てて壊れていくような感覚を、

忘れることが出来ません。

こうした危機をどう乗り越えるか?

…ということは、もちろん重要なことではありますが、

実は、今日お伝えしたいことは、そこではありません。

突然、危機的な状況に陥り、体を強く揺さぶられるようにして、

静かな眠りから目覚めを促されることが、その後、

意識の変容につながっていくということなのです。

当たり前と思っていたこと全てを、見直さざるを得なくなり

そうなるはずと思い込んでいたことが、否応なく改変させられます。

危機的な状況の始まりから、鬱々とした状態が長く続き、

そこから少しずつ、道が見えていくこともありますし、

啓示のように、ドラマックに気付きがやってくることもあります。

そのキーワードは、自分らしさです。

人は、順風満帆であるうちは、疑うこともなく、

検討もしないまま、かつて選んだ道を進んでいくものです。

思考停止の状態と言いますか、半ば自動運転のようにして、

ルーティンをこなしていくのです。

何かとんでもないことが起こって、平和な眠りが終わり、

無意識から引き戻されでもしないかぎり、

その道から逸れていくことはないでしょう。

意欲の減退、無力感、ウツ、世界観・価値観の崩壊は、

楽しい体験ではありません。

けれども、そんなことでも起こらないと、

人は、慣れ親しんだ繰り返しや今いるポジション、

未来のイメージをいったん消去して、

あらためて自分を探索しようとはしないのでしょう。

少しの不満や物足りなさがあっても、

安定していて、なじんでいることは、なかなか止められません。

本当に自分が望んでいることや、

自分らしい生き方、在り方、働き方は、危機的な状況があればこそ、

リアルにパワーを帯びて、ふいに出現してきます。

それはずっと在り続け、持ち続けてきたものだったはずなのですが、

振り返ってみれば、いつの間にか淡い影のように薄れて忘れられ、

まるで最初から存在していなかったかのような状態に

なっていたのだと気付きます。

あるいは、人生において一度も考えたことがなかった可能性、

本当の意味で、まっさらで新しい道を発見することもあります。

どちらにしても、これまでの在り方とはうって変わって、

自分にフィットした、自分らしい、自然な状態への移行となるでしょう。

私がこれまでにお会いした方々のお話をお聴きしていると、

安定志向で冒険をしないタイプの方ほど、

大きなシフトに続く体験をされていることが多いのは、

たいへん興味深いことです。

このブログをお読みくださっている方の中に、

もしもアイデンティティが揺らいでしまうような

危機的な状況にある方がいらっしゃいましたら、

今の苦しいお気持ちはお察し致しますが、

どうか絶望はしないでいただきたいのです。

このあとに訪れるかもしれないシフトが、

きっとより良いステージへと導いてくれるに違いありません。

すべての物事には、明るい測面と暗い側面があると言われます。

悪いことばかりではないと信じて、再構築していきましょう。

困難で苦しい時期を乗り越えた後で、

これまでとは異なる方向性や在り方に着地されて、

少し落ち着かれてから振り返ってみると、

今、現在こそが、自分らしい仕事、生き方、在り方になっていることに

気付かれるかもしれません。

山あり、谷ありを、嫌がらずに、

そうあればこその人生だと受け入れるには、勇気も必要となりそうです。

本当にしたいこと、心から望んでいたことを

勇気を出して、探求するための第一歩を踏み出してみませんか?

人生の目的を探求して、本当の自分らしさと出会う

お手伝いをさせていただきます。

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