嫌な気分の時や、落ち着かない時、胸がざわざわするような時、
少し時間を取って座り、ゆっくりと内側に意識を向けてみると、
心の中にどのような感情があるのか、分かってきます。
感情と思っていたものが、
実は想念や感覚であると気付く場合もあります。
ご自分の内面にあるその何かは、たとえば「不安」であったり、
「怒り」であったり、「怖れ」であったりするかもしれません。
内省をされて、そこにある感情が分かったら、
その後、どのようにされているでしょうか?
よくあるのが、即座にフタをして見なかったことにしたり、
直ちにそれをどこかへ追い出したりする…という対処法です。
不安、怒り、怖れは、不快なものであり、
出来れば無いほうがよいものですので、
反射的に、蚊や蜂を払いのけるような具合に追い出すのです。
またそれとは異なる対処法として、
じっくりとそれについて考えを巡らすことがあります。
なぜその感情が生まれたのかを考えて、考えて、
納得がいく理由やつじつまの合う解釈に到達すると、
少し安心出来ることがあります。
マインドで腑に落ちて、安心できるのは、
もちろん良いことに違いありませんが、
理由や解釈を見つけたとしても、
その感情本体(のエネルギー)は、そこに在り続けるのです。
これでは、対処法として、不十分であると言わざるを得ません。
大切なことが、2点あります。
まず1点目ですが、本当は、感情には、
ポジティブな感情、ネガティブな感情という区別はありません。
不快な感情や良い気分にさせてくれる感情はあります。
それは、ある感情に対する反応の結果です。
感情自体は、それがどんな感情であっても、
私たちに何かを伝え、気付かせてくれるものであり、
すべての感情が役に立つものなのです。
人は、生まれてくる時には、
人間としてのひとそろいの感情が具わっています。
その中には、不安、怒り、怖れ、悲しみもあれば、
喜び、嬉しさ、楽しさ、安らぎなどもあります。
どれにも、等しく価値があるのです。
ですので、内省してみて、
ご自分にとって不快な感情があることに気付いたとしても、
即座に反応して消去するのは、あまりお勧め出来ません。
なぜならば、たとえば不安がある時に、それを否定しないで、
不安が伝えてくれている何かをしっかりと受け取ると、
ご自分のことをもっとよく理解したり、周囲の状況に気付いたり、
必要な対策を採ることが可能となるためです。
次に2点目ですが、感情には、ただ手放していけばよいものと、
深く掘り下げて、探求し、十分に癒す必要のあるものがあります。
セッション中に、クライアントの方の心の深層から現れる感情には、
その時々で、性質の異なるものが存在しており、
本当は単純に手放してよいものではない感情を、無造作に解放してしまうと、
望む方向に進むことを阻まれたり、いつまでも引っかかる感じがしたりして、
問題があとに残されてしまうことになるのです。
セッションルームでお会いするクライアントの方からよくお聴きするのは、
これまでに複数回のセッションをしてきたけれど、
すっきりしていないものが残っているし、
良い方向へ向かっていかない…ということです。
同一のテーマで、何度もセッションをされた方もあって、
これほど真面目に取り組んできたのに、
なぜ変容しないのかしらと、不可解に思われるのです。
私たちの心の深層は、優れた構造システムになっていて、
光を当てて向き合い、十分に癒す必要のある感情やテーマは、
繰り返し浮上してきて、自らの存在に気付かせてくれようとします。
もう終わったことだ、もう癒したから無くなった…と思っていても、
必ず再び表層に現れてきます。
内面的に自覚されないと、外側の世界の出来事として、
たとえば心身の不調、事故、失敗、喪失などの形をとって、
そこに意識を向けて直視することを求められる場合もあります。
深く探求することが求められる感情があるとして、
手放すことが一筋縄ではいかない複雑さとは、
どのようなものなのでしょうか?
罪悪感に悩んでいたKさんのケースをご紹介しましょう。
Kさんの場合、罪悪感の背景には、
次のような要素が複雑に絡まり合っていることが分かりました。
- 胎児期のトラウマ
- 子ども時代に、仲の良い友人がいじめにあったこと
- 職場の人々からやってきたエネルギー
- 前世・過去生から持ち越していたカルマ的なエネルギー
- 祖父母から受け継いでいた罪悪感
- こうあるべきという信念とそうなっていない現実への怒り…ほか。
[ホリスティックな癒しサイトの
このようなケースでは、
子どもの頃の体験だけ、信念だけ、トラウマだけというふうに、
限られた狭い領域にワークするだけでは解決に向かっていかないのです。
では、ただシンプルに手放していけばよい感情と、
そうでない感情を、どのように見極めたらよいのでしょうか?
これはなかなか難しいことかもしれません。
感情もエネルギーですので、内省を続けるなどマインドで行うワークよりも、
身体感覚にフォーカスしたり、エネルギーワークをしたりするほうが
良いと思います。
日頃から、こうしたセルフワークになじんでおられるならば、
丹念に続けていくうちに、直感がはたらいて
識別できるようになられるでしょう。
もしもご自宅などで、お一人でされる場合には、
フォーカシングもお勧めです。
言葉にならない感覚=フェルトセンスにフォーカスして、
そこから伝わってくるメッセージに耳を傾け、感じ取ります。
この際、出来る限り深いレベルで探求し、
必要な気付きや理解とともに解放していきたいと思われるならば、
お勧めしたいのは、セッションにお越しいただくことです。
セッションでは、
シンプルに手放せばよい感情に時間をかけることがありませんし、
その一方で、探求の結果、重要と思われる意味については気付きを得られて、
持続性のある癒しを目指していきます。
セッションに用いるアプローチの方法は、一つだけではありません。
その方のご希望と、取り組みたいテーマによって、
最適な方法をご提案し、納得していただけてから始めます。
ストレスや違和感のないホリスティックな癒しを
一度、ご覧いただければと思います。