信仰・信条・世界観を尊重するセラピーとケア

信仰や世界観は、その方によって異なります。

 

その方にとっては、とても大切なもの、

曲げたり譲ったりは決して出来ない、

当然の価値を持つものであると言えるでしょう。

 

私が開業以来、癒しのサポートのツールとして使ってきた

ヒプノセラピー、多次元セラピーの領域には、

幾つもの種類(分野)があるのですが、その中でも、その方の信仰や世界観と

いちばん密接に関わるものは、おそらく前世療法でしょう。

 

前世療法・過去生セラピーとは、

催眠状態で、潜在意識にアクセスすることで、

現在とは異なる、もう一つの人生のイメージが現れ、

そのもう一つの人生の物語をたどりながら、

必要な癒しと解放、気付きなどを受け取る心理療法です。

 

潜在意識から現れるイメージには、

癒しの要素や問題解決に役立つヒントが含まれており、

前世療法は、心理療法としての手法と効果が認められています。

 

このもう一つの人生が、いわゆる前世・過去生とみなされることで、

前世療法・過去生セラピーと呼ばれるようになっているのだと思いますが、

 

「そのイメージは、本当に前世・過去生であるのか?

また「前世・過去生は、果たして実在するものなのか?

…という問いに対する答えはありませんし、検証することも困難です。

 

そうであっても、心理療法として有用であり、私のこれまでのケースでは、

癒しのツールとして、大いに役立ってきたことは間違いありません。

 

たとえ前世・過去生の実在を信じていない方であっても、

心理療法として受けていただくことは可能ですし、

また現実に、多くの方に受けていただきました。

 

しかしながら、前世・過去生というイメージに対して、

それは決して受け入れられない…という方も、たくさんおられると思います。

 

たとえば、キリスト教の信仰をお持ちの方の場合は、

前世・過去生を受けいれることは出来ないと明言されることがあります。

 

このような場合、

その方の信仰と抵触してしまうイメージや概念を極力避けるようにし、

無用なストレスや不快感、違和感がないセッションをご提案することは、

セラピーの成果を上げるためにも大切なことになります。

 

ヒプノセラピー、退行療法である多次元セラピーには、

「前世療法・過去生セラピー」という分野があるわけですが、

そのほかにも、サプパーソナリティ、インナーチャイルド、

インナーペアレント、胎児期退行、年齢退行など、

さまざまな方法が存在します。

 

そのため、その方が目指すセッションの目的や望むテーマに対して、

これらの異なる種類の方法を使ってアプローチすることは、

可能なのです。

 

セッションでは、まず最初に、事前カウンセリングをしますので、

こうした信仰や信条、世界観について、

率直にお話いただいたうえで、それを尊重しながら、

どのように進めていくかということについて、

ご相談させていただいております。

 

キリスト教の信仰をお持ちの方は、前世の他に、

「ハイアーセルフ」は受け入れられない…とお聴きしたことがありました。

 

ハイアーセルフとは、最高次元の自己、

まるで神さまのような自分の一部分を表しますので、

たしかに信仰とは相いれないことでしょう。

 

個人の宗教的な信仰や信条が尊重されることは、

今日、もはや当たり前のことではないかと思っていたところ、

そうでもないらしいと感じた記事があります。

https://president.jp/articles/-/28971

 

この記事は、おもに学校教育における問題を取り上げて、

宗教学者の方が書かれたものです。

 

内容を少しご紹介すると、「エホバの証人」の信仰を持つ生徒さんが、

信仰上、学校で武道の授業を受けることが出来ず、

そのために学校から退学処分を受けたという事例があります。

(その後、最高裁の判決によって、信仰が尊重されることとなりました。)

 

また、修学旅行で訪れる神社仏閣の鳥居をくぐったり、拝観したりすることが、

創価学会」の信仰では認められないということがあるようです。

 

学校側が許容したとしても、周囲と異なる行動をとれば、

そのことをからかわれたり、いじめの原因となったりすることが

あるかもしれません。

 

私がさせていただいているスピリチュアルケアにおいては、

これからの人生を悔いなく過ごし、死への不安や怖れを解放し、

最期の時を穏やかに迎えることを目指します。

 

終末期の方の心のケアに当たって、何よりも尊重されるべきは、

その方の信仰、そして死生観です。

 

「人が死を迎えたのち、どうなっていくのか?

「この世ではないどこかへ行くとしたら、それはどんなところなのか?

 

こうした問いかけに対して、その方なりのお考えや漠然としたイメージ、

こうなったら良いな…という理想があります。

 

信仰のある方は、その教えに沿った明確な答えを

既にお持ちかと思いますが、そうでない方の場合、

その方によって異なるたくさんの回答が存在することになるでしょう。

 

ご高齢のAさんとBさんが、

亡くなったあと、「あの世」へ行くという同じイメージをお持ちであっても、

Aさんにとっての「あの世」と、Bさんにとっての「あの世」は、

全く同じではありません。

 

その方が生きてこられた人生の出来事やご経験、人間関係、お仕事、

周囲の方々からの影響などによって、

それぞれに異なる、特別な世界観をお持ちなのです。

 

人が、人生において、何を大切にしているのか、どのくらい大切であるかは、

その方にしかわからないことです。

 

そのため、事前カウンセリングやセラピーの場では、

その方の言葉を注意深くお聴きして、

信仰や価値観、世界観を無条件に尊重し、

その世界観に沿った進め方を採ることが求められます。

 

私は、特定の宗教への信仰を持ちませんので、

日頃から、上記の記事のような、それぞれの事情についての情報を集め、

見聞を広めるように心がけています。

 

宗教の信仰は、

その宗教であれば、ほぼ共通しているものと言えますが、

その方独自の世界観、価値観の場合は、

お一人おひとり、異なっています。

 

その方が何を受け入れ、何を受け入れられないのか、

その方の言葉と心に寄り添って理解、洞察すること。

 

率直にお話しいただける安全な場を作ること。

 

この2点について、

ホリスティックな癒しのセッションやスピリチュアルケアはもちろんのこと、

ヒーリング、恋愛セラピーにおいても、敬意と尊重、細心の配慮をもって

取り組んでいきたいと考えております。

 

ホリスティックな癒しのセッション ストレスや違和感のない癒し

 

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