意図とフォーカスが創るミラクル

3万年ほど前に、日本人の祖先が大陸から渡ってきた航海を

再現する航海実験が行われ、このほど見事に成功したという

ニュースを見ました。

 

男性4人と女性1人のグループが、

地図・コンパス・時計を持たずに、天体の位置を見て進路を取り、

手漕ぎの丸木舟で200キロを走破したとのことです。

 

これまでに成功したことがなく、危険もいっぱいの航海、

この方々は、怖れや不安を持たなかったのでしょうか?

 

もちろん、怖れが無かったはずはありませんが、

おそらく、それを上回る確信と情熱をお持ちだったのではないかと

想像します。

 

必ず成し遂げるという明確で強い意図を持ち、

達成に向けて、目的にフォーカスしていたことでしょう。

 

また、昨日のことになりますが、

あるTV番組で、21日間のサバイバル生活に挑戦し、

こちらも見事にやり遂げた一人の若い女性を見ました。

 

印象深いのは、狩りの道具もないのに、

カイマンワニを一撃で仕留め、食料として手に入れたことです。

 

カイマンワニを調べてみると、おとなしい性格で、

通常、人間を襲うことはないということですが、

都会に住む女性がそんなことを知るはずもなく、

文字通り、食うか食われるかの戦いです。

 

女性がワニに集中し、狙いを定めて向かっていく姿には、

不思議な静かさと穏やかさがあり、

空腹で心の余裕がない状況とは思えないほど、

落ち着いた物腰でした。

 

その時の女性は、目標であるワニに完全に集中し、

まるで武道の達人のように、迷いも怖れも飛び越えて、

無心であるように見受けられたのです。

 

丸木舟を漕ぎ続けたクルーたちも、ワニを仕留めて命をつないだ女性も、

自分が望む目的に集中し、明確な意図とフォーカスを確立していました。

 

失敗するかもしれない…という思いがどこかにあったり、

上手くいくかどうか半信半疑であったりしたら、

良い結果にはならなかったかもしれません。

 

考えてみれば、何をするにしても、望むとおりの結果を出すには、

この意図とフォーカスということが、

欠くことの出来ない前提となるのではないでしょうか?

 

これは、問題やお悩みに取り組み、ワークする

セラピーやヒーリングのセッションにおいても、同じです。

 

「このセッションを受けてみて、良くなっていくか、それともダメか、

今の気持ちは、半信半疑です…」という姿勢では、

残念ながら、望む結果にはつながらないでしょう。

 

癒しとは、その方の自己治癒力が起こす「奇跡」です。

 

本当は、奇跡などという言葉は当てはまらないのですが、

日々、セッションで、その瞬間に立ち合わせていただいていると、

その見事さに感嘆し、言葉も無くなりますので、

良い方向へ向かう変容や気付きを受け取る瞬間を、

「奇跡」と言っても良いような気持ちになります。

 

ご自分で行うセルフヒーリングであっても、

セラピスト・ヒーラーによるセッションであっても、

癒しが起こる時、活性化され、作用しているのは、

その方の中に具わっている自己治癒力。

 

その自己治癒力が最大限に活性化するためには、

怖れや疑い、不安、悲観、あきらめなどが無いほうがよいことは

もちろん、言うまでもありません。

 

同時に、必ず望むとおりになるという意図と、

ご自分に癒しが起こることへのフォーカスがあったとしたら、

これ以上ないくらいの力となって、自己治癒力はエンパワーされ、

方向づけられ、後押ししてくれることでしょう。

 

セラピスト・ヒーラーは、

癒しと気付き、解放のための場を安全に保ち、

自己治癒力がフルに発動するための土壌を整え、

丁寧にワークしていきます。

 

けれども、癒しへの意図とフォーカスは、

その方の代わりに持って差し上げることは出来ません。

 

その方がご自分で持っていることが必要なのです。

 

それが無い場合には、セラピスト・ヒーラーの努力は、ただ空回りし、

経験や技術も活かされないままとなってしまうでしょう。

 

それが、整体やカイロなどボディワークであっても、

心理療法であっても、ヒーリングであったとしても、

セッションに行く、ご自分を癒すと決めたからには、

ぜひ意図とフォーカスを持っていただければと思います。

 

不安や怖れや懐疑が脳裏をよぎるのは、

人間であれば仕方がないことですが、

それを凌駕する成功への確信と熱意をもって望むことは可能です。

 

セラピスト・ヒーラーは、癒しのサポートの専門家として、

溢れんばかりの癒しへの情熱を持っているものですが、

それを上回るほどの勢いで、迷いのない意図と熱意をもって、

ご本人が、そのセッションにフォーカスされ、

共同創造としての、まるでミラクルのような

癒しと気付きの瞬間がもたらされたとしたら、

これ以上喜ばしいことはありません。

 

ホリスティックな癒しのセッション