打たれ強さのメリットとデメリット

打たれ強い人は、困難を精神力で乗り越えていきます。

ひるまず、へこまず、後退することなく道を切り開いて進みます。

ストレスやダメージには屈しません。

周囲から、タフで頑強な印象を持たれ、

弱肉強食的な環境でも結果を出して、高い評価を得られることでしょう。

こうして書いていると、良いことばかりのように見えるのですが、

実は、デメリットもあるということをご存じでしょうか?

表面上のタフネスや推進力の裏側で、

何が起こっているのか…ということを見てみましょう。

セラピスト・ヒーラーの立場からホリスティックに見渡すと、

頭と心と体がバラバラで、

心 (時には心と体) が 頭 に追いついていない状態、

すなわち統合されていない状態となっていることがあるのです。

打たれ強さがあると、マインドの部分では、

強い意志の力とタフネスで、痛みや苦しみを克服して、

既にその影響を脱して進みつつある…と考えています。

しかしながら、実は、心と感情の部分については、

そのタフな精神力に追いつかずに取り残され、

鬱屈したままであることが少なくありません。

辛さや苦しみ、傷付いた感情が、

はるか先を突き進むマインドに遅れを取っている状態です。

しかもマインドは、辛さや苦しみ、傷付いた感情は、

既に解決済みであるから問題なし…とみなしています。

その方によっては、完璧であることが何よりも大切であったり、

「弱さを決して認めてはならない」という信念を持っていたり

することがあります。

すると、都合の悪いことは、無意識に遮断されたり、

打ち勝ったという思い込みとプライドだけが

意識の中でクローズアップされていたりして、

傷付いた領域に向かい合うことが、なおさら難しくなってしまうのです。

自分が傷ついていることを受け入れるのは、簡単ではありません。

けれども、心のダメージは、マインドがどう考えていようとも、

無かったことにはなりません。

それらが今も存在していること、癒しを必要としていることに

気付いてもらえないと、いつまでも残留し続けますし、

心身の不調として表現されたり、

折に触れて造反するような作用をもたらすことも起こります。

苦しみや辛さなどのダメージは、固有のエネルギーを持っていますので、

マインドの前向きな姿勢や推進力に逆行し、

文字通り、足を引っ張られることになってしまうのです。

打たれ強い人は、こうした逆行にも打ち勝ち、

ものともせずに前進していこうとするのですから、

途方もないエネルギーを使っていることになります。

現代社会では、仕事をこなして結果を出すにあたり、

情報を集め、頭を使って先を読み、

戦略を立てて実行することが当たり前となっていますので、

精神力を持続的に発揮することが求められます。

その裏側で、悲鳴を上げていたり、衰弱しきっていたり、

怒りや恨み、無念さの重い塊となっていたり、さまざまな形で取り残され、

渦を巻いている否定的な感情とダメージのエネルギーを、

セッションルームでは、たくさん目にしてきました。

私にはそれが見えるのですが、

ご本人は、クールな表情で、分析的に淡々とお話をされます。

そして「私は、こんなに辛いことがありましたが、

それはもう乗り越えました。もう大丈夫なはず。

でも、なぜか上手くいっていないのです…」とおっしゃるのです。

上手くいくはずがありません。

エネルギーが生々しく残っていて、蓋を開いて、光を当てて、

それがそこにあることを見て、認めて欲しい、受け入れて欲しい、

癒して欲しい…と無言のメッセージを送っているのですから。

タフで打たれ強い方の場合、トラウマや幾つかのダメージを受けた後、

だいぶ時間が経過してから、不調・不具合に気付かれることもあります。

総じてマインドが優位に立ちやすい現代の生活では、

心や感情、さらにはエネルギーといった領域に、

より積極的に、意識を向けるように心がけることが必要なのかもしれません。

セッションにお越しになり、

統合されていない状態や不調和な状態に気付かれて、

癒そうというお気持ちになられたら、それに勝ることはありません。

うすうす不調和を感知していながら、それを無視して、

タフな精神力で頑張っておられる多くの方々の、

内側 (深層心理) や エネルギフィールドで、何が起こっていのか、

これからどうなっていくのかと想像すると、

胸が痛み、少し恐ろしくも感じられます。

不調和なエネルギーは、周囲の人々にも影響を及ぼし、

人間関係に影を落とします。

人は、マインドだけで生きられるものではありません。

心と体とオーラ(エネルギーフィールド) の全体性を取り戻すために、

頭を空っぽにして、日常を離れ、リラクセーションのひとときを持ち、

ご自分の内側の世界にも、意識を向けられたら良いですね。

頭の中のスケジュール表が過密であっても、マインドに支配され過ぎず、

十分に休養を取り、ご自分の感覚や直感、感情とのつながりを回復され、

取り戻されることをお勧めします。

人間関係・自己価値・トラウマを癒す ホリスティックな癒しのセッション